野村万作 年譜
1931年
昭和6年
6月22日 東京に生まれる。本名、二朗。
1934年
昭和9年
「靫猿」子猿役で初舞台(三歳)。
1950年
昭和25年
父の幼名「万作」を襲名。「三番叟」「奈須与市語」を披く。
1953年
昭和28年
早稲田大学文学部国文学科卒業。能楽賞の会で「奈須与市語」一位を受賞。
1954年
昭和29年
「夕鶴」(武智鉄二演出)初演に出演。
1955年
昭和30年
「彦市ばなし」(木下順二作、武智鉄二演出)、「月に憑かれたピエロ」(武智鉄二演出)に出演。稽古会「狂言あとりえ」発足。
1956年
昭和31年
「釣狐」を披く。
1957年
昭和32年
パリ国際演劇祭能楽団に参加。(狂言はじめての海外公演)「楢山節考」(岡倉士朗・横道萬里雄演出)に主演。
1958年
昭和33年
「唾の一声」(飯沢匡作)に出演。
1959年
昭和34年
主宰の「冠者会」が芸術祭奨励賞受賞。
1960年
昭和35年
「花子」を披く。
1963年
昭和38年
ワシントン大学客員教授として渡米。
1964年
昭和39年
「冠者会」の「釣狐」で芸術祭奨励賞を受賞。
1965年
昭和40年
野村狂言団としてヨーロッパ巡演。
1966年
昭和41年
インド・ニューデリーで公演を行う。
1967年
昭和42年
「鷹姫」(横道萬里雄作)に出演。「月見座頭」試演。
1968年
昭和43年
野村狂言団アメリカ・カナダ公演に団長として参加。「栗田口」で芸術祭奨励賞受賞。
1971年
昭和46年
金春流とともに副団長としてアメリカ・カナダ公演に参加。冥の会「オイディプース王」(観世栄夫演出)に出演。
1972年
昭和47年
パリ国際演劇祭で「釣狐」を演ずる。冥の会「アガメムノン」に出演。
世阿弥座欧州公演に参加。能「定家」の間狂言で芸術祭優秀賞受賞。
1973年
昭和48年
「武悪」「花子」のアドで芸術祭優秀賞受賞。
1974年
昭和49年
ハワイ大学客員教授を務める。「名人伝」(中島敦原作)に主演。「文蔵」で芸術祭優秀賞受賞。
1975年
昭和50年
野村狂言団団長としてアメリカ・カナダ・南米公演。冥の会「メディア」に出演。
1976年
昭和51年
日本文化使節団として訪中。「餓鬼供養」(遠藤啄郎構成・演出)に主演。
1977年
昭和52年
ネスカフェのCMに出演。「釣狐を観る会」連続上演(10月~1978年2月)で芸術祭大賞を受賞。
1978年
昭和53年
父・六世野村万蔵死去。「姨捨」間狂言初演。「鳴子」で大阪文化祭賞受賞。
1979年
昭和54年
「子午線の祀り」(木下順二作)に義経役で出演、紀伊国屋演劇賞を受賞。以降第五次公演まで出演。日仏演劇協会副会長就任。
1980年
昭和55年
アメリカ西海岸で父・六世万蔵追悼公演を行う。
1981年
昭和56年
「日本伝統芸能五人の会」でアメリカ公演。UCLAで演技指導を行う。
1982年
昭和57年
「花子」で芸術祭優秀賞を受賞。野村狂言団団長として中国公演。
1983年
昭和58年
サンフランシスコで演技指導と公演を行う。
1984年
昭和59年
野村狂言団団長としてアメリカ公演。舞台生活50周年。
1985年
昭和60年
野村狂言団団長としてオーストラリア・シンガポールで公演。「桧垣」間狂言初演。
1986年
昭和61年
法政大学観世寿夫能楽賞を受賞。喜多流アメリカ公演に参加。「狸腹鼓」を披く。
1987年
昭和62年
「釣狐を観る会」連続上演(1月~2月、9月)。
1988年
昭和63年
ハワイ大学客員教授として狂言指導。
1989年
平成元年
「伝統芸能五人の会」副団長として中国公演に参加。
「野村狂言団」団長としてモスクワ・レニングラードで公演。喜多流アメリカ公演に副団長として参加。
1990年
平成2年
日本芸術院賞、松尾芸能賞を受賞。
1991年
平成3年
「法螺侍」(高橋康也脚本)を演出・主演。「枕物狂」初演。「法螺侍」でロンドン・ジャパンフェスティバル1991に参加。
1992年
平成4年
「万作の会」団長としてアメリカ公演。
1993年
平成5年
「釣狐」演じ納めの連続公演、白狐試演。上演回数は披き以来二十六回。
1994年
平成6年
「法螺侍」を香港・オーストラリア・ニュージーランドで上演。
1995年
平成7年
紫綬褒章受章。「梅の木」(高橋睦郎脚本)に出演。
1996年
平成8年
「こぶとり」(北村想脚本、茂山千五郎・野村萬斎演出)に出演。「庵の梅」初演。
1997年
平成9年
「藪の中」(野村萬斎脚色・演出)に出演。パリ日本文化会館柿落しで『三番叟」を演ずる。
アメリカ・ニューヨークジャパンソサエティ90周年記念公演で「法螺侍」を上演。シカゴ・ロサンゼルスで狂言公演。
1998年
平成10年
ベトナム・日本文化交流フェスティバルに参加。坪内逍遙大賞を受賞。狂言・昆劇交流公演「秋江」を上演。
1999年
平成11年
狂言・昆劇交流公演「秋江」を南京で再演。
2000年
平成12年
「鏡冠者」(いとうせいこう作、野村萬斎演出)に出演。
2001年
平成13年
「まちがいの狂言」(高橋康也脚本、野村萬斎演出)に出演。「伝統芸能五人の会」副団長として中国で公演。
「まちがいの狂言」グローバル・バージョンでイギリスのジャパン2001に参加。
「RASYOMON」に出演。古稀記念「万作を観る会」で「太鼓負」「唐人相撲」初演。
2002年
平成14年
「三番叟」(双之舞)を試演。早稲田大学芸術功労者表彰を受ける。「まちがいの狂言」グローバル・バージョン再演に出演。
2003年
平成15年
ベスト・ファーザー賞受賞。サンフランシスコ・ニューヨーク・ボストンで「靱猿」「川上」を上演。
2004年
平成16年
パリ日本文化会館で「靱猿」上演。「生田川物語」(大岡信作)に出演。舞台生活70周年記念「大狂言会」を歌舞伎座で催す。
2005年
平成17年
「まちがいの狂言」グローバル・バージョン再々演に出演。「敦-山月記・名人伝-」(中島敦原作、野村萬斎構成・演出)に主演。
2006年
平成18年
「敦-山月記・名人伝-」全国3か所での再演に主演。
2007年
平成19年
この年より「万作・狂言十八選」公演を全国各地で開催。
朝日賞を受賞。重要無形文化財各個指定保持者(人間国宝)に認定される。「比久貞」初演。
2008年
平成20年
ワシントンD.C.「JAPAN!CULTURE+HYPER CULTURE」で「まちがいの狂言」と狂言「川上」を上演。
朗読オラトリオ「繻子の靴」(クローデル作・渡邊守章訳・構成・演出)に出演。
長谷川伸賞受賞。喜寿記念「万作を観る会」で「花子」上演。練馬名誉区民顕彰を受ける。
2009年
平成21年
舞台「六道輪廻」(大谷暢順原作・笠井賢一脚本・野村萬斎演出)を監修・出演。北京・長安大劇院で「三番叟」を上演。
中国芸術研究院名誉教授の称号を受ける。「万作・狂言十八選」公演で「法螺侍」を15年ぶりに再演。
イタリアのミラノ・ピッコロ座、ローマ・テアトロパラディウムで狂言「川上」を上演。「万作を観る会」で袴狂言「釣狐 前」を上演。
2010年
平成22年
韓国国立劇場にて「川上」を上演。「万作・狂言十八選」最終公演で袴狂言「釣狐 前」を厳島神社能舞台で演ずる。
2011年
平成23年
練馬区立練馬文化センター名誉館長に就任。北京・中国芸術研究院及び日本学研究センターで講演とワークショップを行う。
「万作を観る会」傘寿記念公演で「翁 火打袋風流」を初演。
2012年
平成24年
旭日小綬章受章。アメリカのサンフランシスコ・マウンテンビュー・ワシントンD.C.の三都市で狂言公演を行う。
「月見座頭」上演。「万作を観る会」で新作「食道楽」(北大路魯山人原作)を上演。
2013年
平成25年
スーパー能「世阿弥」(梅原猛作・梅若玄祥演出、国立能楽堂企画・制作)初演に出演。
2014年
平成26年
シンガポール・ビクトリアシアター狂言公演。「三番叟」「棒縛」上演。
「万作を観る会」芸歴八十年記念公演で袴狂言「釣狐 前」、「三番叟 神楽式・双之舞」を上演。
2015年
平成27年
世田谷パブリックシアター「敦-山月記・名人伝-」(中島敦作、野村萬斎構成・演出)配役を一新しての再演に甘蝿老師・老紀昌役で出演。
「万作を観る会 in 西本願寺南能舞台」を開催。重要文化財の能舞台で「奈須与市語」「悪太郎」を上演。文化功労者として顕彰を受ける。
「万作を観る会」で狂言「楢山節考」(深沢七郎原作・岡本克巳脚色)を58年ぶりに上演。演出とおりん役を勤める。
ニューヨーク・ジャパンソサエティで狂言公演を行う。「奈須与市語」「悪太郎」に出演。
2016年
平成28年
文化功労者顕彰記念「万作を観る会 特別公演」を催す。
「翁」で三番叟を勤める。東京の「万作を観る会」のほか新潟・山梨で昨年に引き続き自ら演出する新作狂言「楢山節考」を再演。
2017年
平成29年
世田谷パブリックシアター開館20周年記念公演で「唐人相撲」皇帝役を勤める。
米国・ロサンゼルスJALCCCでUCLA・早稲田大学主催狂言公演に出演。「川上」を勤めるほか、学術シンポジウムで講演を行う。
大阪で「楢山節考を観る会」を催す。中日文化賞受賞。
2018年
平成30年
名古屋・大分で「楢山節考」再演。世田谷パブリックシアターで劇場版「楢山節考」を上演。
中国・北京の天橋劇場での日中友好条約締結40周年記念狂言公演に出演。「川上」を勤める。
フランス・パリのエスパスピエールカルダン劇場でのジャポニスム2018「野村万作・萬斎・裕基×杉本博司 三番叟Divine Dance」で「三番叟」「月見座頭」を勤める。
「万作を観る会」で「法螺侍」を9年ぶりに上演。能舞台での上演は初の試み。
2019年
令和元年
6月「米寿記念狂言の会」を国立能楽堂で開催。
裃による「三番叟」神楽式を所演。米寿記念の書籍「狂言を生きる」(朝日出版社)出版。
台湾・高雄の衛武営国家芸術文化センターでの狂言公演で「川上」を勤める。
2020年
令和2年
能楽協会主催「能楽公演2020」で「木六駄」を勤める。
新型コロナウイルス禍のため3月から8月に延期された「狂言ござる乃座61st」公演で「庵の梅」を勤める。
2021年
令和3年
第37回ジャパン・ソサエティ賞受賞。東京・石川・沖縄で上演された狂言「唐人相撲」で皇帝役を勤める。
卒寿記念「万作を観る会」で「枕物狂」上演。
2022年
令和4年
ポーラ伝統文化振興財団 第50作 伝統文化記録映画「野村万作から萬斎、裕基へ」公開。
日本芸術院会員に選出される。
8K映像収録の袴狂言「釣狐」全編(NTT ArtTechnology制作)、公開開始。